10月になると、9月とは打って変わって
気温が下がり、肌寒くなりますね。
季節が変わると、やはり手紙の書き出しについても
秋らしい表現にすればいいのかなと
迷ってしまう方もいるかと思います。
これから出す手紙ならどんなふうに、寒くなってくる秋に
季節を感じて、紅葉など実り豊かな秋を感じるような
表現を出したいですね。
今回の記事では、10月の手紙の書き出しについて
秋の季語や紅葉を含む時候の挨拶と文例などを
ご紹介したいと思います。
目次
10月の手紙の書き出し:秋の季語と紅葉を含む時候の挨拶は何がいいのか?

日本には春、夏、秋、冬と季節がはっきり
分かれており、四季と言われています。
それらの四季の自然の豊かさや恵みなどについて
季語があります。
季語は1月から12月までそれぞれの月で
違う言葉が使われております。
季語はそもそも平安時代に成立したと言われており
当初は150個が記録されております。
その後、俳句などでも使われるようになって
現在では5,000個以上もの季語が使われていると
言われております。
これだけ、たくさんの季語が使われておりますので
10月の季語としても想像もつかないような
ものもあります。
また、10月と言っても上旬、中旬、下旬と
分かれているのは日本人の感受性の高さを
表していていいですね。
10月上旬は仲秋、清秋、寒露を季語として使います。
「仲秋の名月」と「中秋の名月」の違いについては
仲秋が旧暦8月の時期ですので
現代の暦でいうところの白露(9月8日ごろ)から寒露(10月8日ごろ)
の期間のことです。
そのため、10月上旬の季語としても使えるんですね。
季語の使い方としては、
寒露の候~
仲秋の名月のきれいな夜~
のような形で使うことになります。
10月の中旬は紅葉もすすんで寒さも秋らしく
感じているという季節になるかと思います。
そこで10月中旬の季語としては
寒露、秋麗、紅葉が使うことになります。
10月23日になると二十四節気でいうと「霜降」となり
ここから下旬とみなします。
10月上旬に比べると一気に寒さがやってきて
いよいよ冬がやってくるかという感じがしますね。
10月下旬の季語としては、初霜、霜降、錦秋を
使うことになります。
こういった季語は
~の候、~のみぎり、~の折と
季節や節気を意味する言葉をつなげることにより
完成し使われることになります。
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10月の手紙の書き出し文例
一般的には手紙の書き出しとしては
「時候の挨拶」と共に
安否の確認も入れるとより丁寧な
気配りができている手紙となります。
その他の時候の挨拶については
秋涼爽快の候
菊花薫る時節
清涼の秋気身にしみて
秋色日毎に深まり
秋たけなわの好季節
天高く馬肥ゆる秋
燈火親しむの候
仲秋の候
秋冷のみぎり、
清秋の候
爽秋(そうしゅう)の候
錦秋(きんしゅう)の候
紅葉の候
秋麗の候
錦繍(きんしゅう)の候
寒露の候
といったものを
時候の挨拶の書き出しとして
使うことになります。
また、時候の挨拶に安否の挨拶を
加えたものになると、
仲秋の候、ますますご清祥のこととお喜び申しあげます。
秋冷のみぎり、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
日に日に秋も深まってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
菊花咲き乱れる候、ますますご活躍のことと存じます。
実りの秋を迎え、お変わりなくご健勝のことお喜び申しあげます。
虫の音に秋の深まりを感じる今日この頃、お変わりございませんでしょうか。
暦の上では霜降となりましたが、お健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。
秋も深まりケヤキ並木も色づき始めました。公私ともどもご多端のことと存じます。
寒さもしだいにつのり、朝夕はめっきり冷え込むようになってまいりました。
10月は実りの秋であり冬に向かって
気温が下がってくるという季節ですので
秋の豊かな季節感を出しつつも先方の健康を
気遣うようなものにすればいいかと思います。
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10月の手紙の結びの挨拶文例
手紙の締めくくりの言葉である結びの挨拶としては
内容や宛先の相手によっても違うと思いますが
そこに季節の言葉を少しでもいれると
相手に対する思いやりがこもった手紙となるかと
思います。
結びの文例としては、
紅葉に彩られる季節を、
どうかおすこやかにお過ごし
くださいますように。
実りの秋を満喫してどうぞお元気にお過ごしください。
朝晩はめっきり冷え込むようになりました。
お風邪などお召しになりませんように、くれぐれもご自愛ください。
秋冷の加わる折から、お体にはくれぐれも
お気をつけくださいますよう。
日増しに肌寒くなってまいる時期です。
お体をたいせつになさってくださいね。
気候不順の折から、お体に気をつけて、
ご壮健にお過ごしください。
お互い、健康に留意して、秋を存分に楽しみましょう。
秋の夜長とはいえ、睡眠は十分におとりになって、
おすこやかにお過ごしください。
読書にスポーツにと、
実り多い秋をお過ごしくださいますよう。
味覚の秋ですが、お互い体重管理と健康管理には
十二分に注意いたしましょう。
灯火親しむの候、お勧めの本があったら、
ぜひ教えてください。
美しい紅葉に彩られての晴れの門出を
心よりお祝い申し上げます。
といった言葉を手紙を送る相手との
関係性を考慮して合わせるように
しましょう。
こちらの記事も是非どうぞ!



10月の手紙の挨拶文に使える季語の紹介
上記では手紙の書き出しで使われる季語を主に
紹介しました。
さらに、俳句で使われる季語も知っていれば
さらに使う幅が広がってオリジナリティかつ
伝統あふれるあいさつ文とるでしょう。
特に年長者に対する手紙の書き出しに
このような季語を使うと好評となるでしょう。
「柿」「野菊」「菊人形」
「すすき」「曼珠沙華」
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10月の手紙に使える昔の呼び名(和風月名)
和風月名と言うと何だろう?
聞いたことがないなあ。。
ということで聞きなれない
かもしれませんが、要するに睦月、如月、弥生、皐月・・・
と言った旧暦で呼ばれていた和風の月の名称のことです。
10月は神無月(かんなづき)で皆さんも
ご存知かと思います。
10月は日本の八百万の神々が
一部の留守神様を残し、出雲大社(島根県出雲市)へと
会議のために出かけてしまうことに由来しています。
その為、神様が出かけてしまうという神社では
「神無月」となり、全国の神々を迎える出雲(島根県)では
「神在月」となるわけです。
日本人の情緒というかロマンあふれる考え方だと思いました。
私は日本の古来からある伝承でもこのような
感性豊かなとらえ方が好きです。
この他にも
「応章(おうしょう)」
「大月(おおつき)」
「開冬(かいとう)」
「玄冬(げんとう)」
といった月の別名もあります。
このような和風月名を季語として時候の挨拶に
使うと表現の幅が広がって奥ゆかしい印象と
なるでしょう。
10月のビジネスに使える時候の挨拶
最近のビジネスシーンでは、メールのやり取りに終始してしまうので
実際に手書きのお手紙を出すというのはなかなかないかと思いますが
だからこそ大切なお取引先やごひいきにしていただいている
お客さまには真心こめた直筆のお手紙を書くと
相手に対する印象もよりよくなるのではないかと思います。
さて、具体的なビジネスでの時候の挨拶は
特に難しく考えることもなく
・秋季さわやかなよい季節になりましたが、
(貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます)。
・秋もたけなわでございますが、
(皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます)。
・天高く馬肥ゆる秋たけなわの季節が到来しましたが、
(皆様お変わりなくお過ごしでしょうか)。
といった表現を使えばよいでしょう。
手紙を直筆で書きたいということであれば
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さいごに
今回の記事では
10月の手紙の書き出しとしまして
秋の季語、紅葉を含む時候の挨拶と文例、
10月の和風月名、ビジネスに使える時候の挨拶等について
ご紹介いたしました。
10月はまさに秋まっさかりなので
この豊かなる季節をお手紙で表現すると
読む方の印象もよくなるのでは
ないかと思います。
季節が変わりゆく中なので
相手のお体のお気遣いなども入れると
さらによいでしょう。