春から秋にかけての気候の良い季節は
全国の小学校、中学校、高校の
修学旅行シーズンでもあります。
修学旅行の行き先は
学校で決められていたり、生徒の投票で決めたり
様々だと思いますが
授業の内容を反映させた
課題や宿題がある学校は多いと思います。
今回は必須科目の国語での俳句を作る課題の
参考となる文例や季語などご紹介します。
日常ではあまり馴染みのない
俳句という文化ですが、
決められた文字数のなかで
季節の表現をするため
自然に目を向けることができ、
それを言葉で表す表現力がつきます。
自分の感性とじっくり向き合い
考えることで日常では得ることの難しい
想像力が養えるメリットがあります。
目次
俳句の作り方やルールとは?

学校の授業でも俳句については勉強しますが
自分で俳句を作るとなると
何をどうしたらいいのか分からなくなってしまいますよね。
俳句というのは日本独自の定型詩のことを言い、
五・七・五に区切られた三句十七音で構成されます。
俳句が生まれたのは、
今から約100年前の江戸時代とされてます。
正岡子規らを中心に使われ始め、
当初は俳諧(はいかい)と呼ばれていました。
俳諧は「滑稽、面白み」と言った意味で
俳句より以前の連歌で使われていた言葉です。
この連歌が俳句のベースとなっていて、
連歌自体はもともとは優雅な美の世界を表すものでしたが
滑稽な言葉遊びへと変化していきました。
その過程で連歌の上の句(五・七・五の部分)だけが
鑑賞されるようになり「俳諧の句」として
庶民にも広まり文化として流行したそうです。
俳句のルールとしては、
限られた文字数で
自然の美しさや人の心情を表現するために
季語を必ず使わなくてはいけません。
季語は言葉通り、
誰でもその季節を思い浮かべられるような
単語のことです。
そして限られた文字数だからこそ
いろいろな表現方法があります。
「切れ字」は「かな・けり・や」などを使って、
句の表現を完結、独立させるために
句の途中や最後で特別に切れる働きをする
語のことを指します。
切れ字を使うことで必要最小限の表現ができ、
その言葉以上の意味を含めることができます。
「省略」は体言止めを使い
動詞や助詞を省略することを指します。
言葉を省略することでリズムや余韻が生まれます。
また最初に俳句は十七音と言いましたが、
例外もあります。
「字余り」や「字足らず」という
十七に満たない、超える表現方法もあります。
こちらは少し難易度が上がるので、
自分で作る際には基本の五・七・五がおすすめです。
十七音の数え方としては、
拗音や促音(小さい「よ」や「つ」など)は
二文字で一つのカウントになります。
俳句を作るときのポイントは、
・季語を意識して題材を見つける
・普段の言葉で文章にしてみる
・文章の中で一番伝えたいこと部分を決める
・文章を五・七・五のリズムに合わせる
さらに切れ字や省略を取り入れると
俳句の雰囲気が増します。
最初から俳句の形を作ろうとするのは難しく、
言いたいことも分からなくなってしまうので
少しずつ的を絞っていきましょう。
なので修学旅行中の楽しかったことなどを
写真に残しておくと
後から文章を作るのに役立ちますよ。
「修学旅行での俳句」を強調するために、
俳句に地名や観光名所名を入れるのも
鮮やかな情景となるのでおすすめです!
季語の例 春・夏・秋 修学旅行の俳句
俳句の一番の決め手となる季語について
季節毎に紹介します。
「季語重ね」「季重ね」という
季語を2つ以上使う俳句もあります。
俳句作りに慣れてきたら
そういった技法にも
挑戦してみてはいかがでしょうか?
春に使える修学旅行の季語

・春探し
・初春
・桜咲く
・青葉かな
・新緑が
・五月雨の
・梅雨の中
・春の風
・春の空
言葉頭に「春」とつく言葉は
わかりやすく使い易いものです。
春に修学旅行に行く場合は
春の穏やかな俳句をイメージして
観光してみてはいかがでしょうか。
また花が咲き誇る春は
花の名前も季語となるので、
修学旅行先で見つけた花を
季語として俳句を作ることもできます。
・梅
・椿
・桜
・枝垂桜
・八重桜
・彼岸桜
・ミモザ
・ライラック
・沈丁花
・ハナミズキ
・パンジー
・チューリップ
・土筆
・ふきのとう
・スミレ
・霧島ツツジ
・桃の花
・山吹
・伊予柑
・アザレア
・サンザシ
・藤
・スモモの花
・杏の花
・梨の花
・りんごの花
・馬酔木の花
・さくらんぼの花
夏に使える修学旅行の季語

・夏の空
・夏の風
・夏の雲
・青空よ
・青い海
・晩夏かな
・入道雲
・夕立
・風薫
・南風
・遠雷
・スコール
夏の季語は爽やかな雰囲気があります。
食べ物でも夏らしさを表現できる季語が多く、
・ソーダ水
・カキ氷
・御手洗(みたらし)
・白玉
・葛餅
・ところてん
・あんみつ
・水ようかん
・麦茶
・アイスコーヒー
・ゼリー
・冷やし中華
・氷菓子
・氷水
・アイスクリーム
・ラムネ
など修学旅行先にもある食べ物なので、
俳句にも取り入れる易いです。
・麦藁帽子
・日傘
・扇子
・ハンカチ
・打ち水
・風鈴
街で見かけるアイテムも
夏の季語として使えます。
・ホタル
・金魚
・アブラゼミ
・空蝉(セミの殻)
・カブトムシ
・てんとう虫
・クラゲ
夏の風情を感じる生き物も
俳句に使うことができます。
秋に使える修学旅行の季語

・秋の色
・秋時雨
・秋の暮れ
・秋深き
・秋の空
・秋の風
・秋の夜
・長月の
・夜長
・秋の宵
・天高し
・秋の星
・十六夜
・天の川
・鈴虫
・ツクツクボウシ
・コオロギ
・ヒグラシ
など季節が移り変わったことが
わかるような季語が秋には多くあります。
・紅葉
・彼岸花
・フジバカマ
・キキョウ
・コスモス
・ダリア
・ススキ
・菊
・なでしこ
・葛の花
・キツツキ
・シジュウカラ
・モズ
・ムクドリ
・ホオジロ
・渡り鳥
・鹿
・イノシシ
と春と同じくいろいろな動植物でも
秋らしさを表現できます。
修学旅行では自然の多い場所を
観光することが多いので
意識してみると多くの季語が見つけられます。
地名の例文 修学旅行の俳句
修学旅行先で地名や建築物で
俳句に取り入れ易いものを
ご紹介していきます。
その土地を代表するような
有名な固有名詞を使えばそれだけで
情景の浮かぶ俳句が作れます。
京都 修学旅行の俳句の例文

・夏の雲 歴史を感じる 古都の旅
・銀閣寺 紅葉色づく 赤模様
・夏の空 池に写して 金閣寺
・清水の 春の音羽の 滝の水
歴史の深い京都では文化財として
価値のある観光名所が多く
修学旅行の俳句にぴったりのモチーフも
見つけ易いでしょう。
他にも
・比叡山
・京都タワー
・鴨川
・祇園
・水路閣
・嵐山
・哲学の道
なども京都らしさ溢れる言葉なので
おすすめです。
東京 修学旅行の俳句の例文

・秋の空 天にそびえる スカイツリー
・浅草で 新緑薫る 秋の風
・東京の 夏空の下 記念写真
・新緑と きらめく空と 夢の国
東京への修学旅行では
神社などの歴史のあるものから
新しい施設など訪れる場所も
幅広いと思います。
・お台場
・皇居
・明治神宮
・上野
・築地市場
・東京タワー
・レインボーブリッジ
など特徴的な建物や施設を
チェックしましょう。
奈良 修学旅行の俳句の例文

・雨多き 奈良の空にも 夏来たり
・法隆寺 五月の空に そびえたつ
・新緑の 森に大仏 鎮座する
・4月鹿 せんべい探して 人を見る
奈良と京都は修学旅行で
セットとなることが多いと思います。
京都の方がポピュラーですが、
奈良にも下記のように
世界遺産が多くあるので必見です。
・平城京跡
・東大寺
・正倉院
・興福寺
・春日大社
・元興寺
・薬師寺
・唐招提寺
広島 修学旅行の俳句の例文

・広島の 春風感じる 青い空
・宮島の 歴史感じる 秋の風
国際的にも知名度の高い広島は
美しい観光名所が特徴的です。
・原爆ドーム
・厳島神社
・西条酒蔵通り
・平和記念公園
・千光寺公園
・御手洗(みたらい)
・温井ダム
福岡 修学旅行の俳句の例文

・城下町 雰囲気漂う 萩の町
・緑の葉 南風感じ 揺れている
ラーメンやちゃんぽんなど
美味しい食べ物が有名な福岡ですが、
観光施設や名勝、旧跡も充実しています。
・福岡タワー
・門司港レトロ
・皿倉山
・小倉城
・三連水車
・つづら棚田
・太宰府跡
・王塚古墳
さいごに
こちらの記事も是非どうぞ!


学校生活のメインの行事とも言える
修学旅行は待ち遠しいものだと思います。
修学旅行のあとに
俳句を作るのに困らないよう
あらかじめ行き先での
目星をつけておくといいでしょう。