手紙を書く際のマナーとして大切なのが、
時候の挨拶が含まれる書き出し部分です。
現代では手紙を書く機会もなかなか減っているため
いざ手紙を書く時にどんな書き出しが正しいのか
迷ってしまいますよね。
今回は夏から秋へと季節の変わる
9月の手紙に使える
書き出しや季語、結びの挨拶など
文例も一緒にご紹介します!
目次
9月の季語と時候の挨拶は何がいいのか?

出典元:https://pixabay.com/ja/木-アベニュー-バックライト-太陽-フィールド-離れた-空-緑-779827/
まず手紙を書くのにあまり慣れてないうちには、
時候の挨拶は季語のあとに
「〜のみぎり」「〜の候」「〜の折」と
慣用句を付け加えるのが簡単でしょう。
改まった手紙にも使える丁寧な挨拶なので
覚えておくと便利です!
9月に使える季語は以下の通りです。
初秋(しょしゅう、はつあき)
秋のはじめごろを指し、
陰暦で7月頃、新暦で8月頃のことを言います。
具体的には立秋(8月8日頃)から
白露の前日(9月7日頃)までのことです。
単語でははつあきとも読めますが、
「初秋の候」などと慣用句が付くと
漢語調の読み方になるので
しょしゅうとなります。
新秋(しんしゅう)
こちらも秋のはじめの事です。
意味が同じなので使う時期も
初秋とほとんど同じですが、
処暑(8月23日頃)から白露の前日までが
最も相応しいでしょう。
少しの日数の違いですが、
細やかな変化をつけた手紙は
とても日本的で素敵ですよね。
孟秋(もうしゅう)
こちらはあまり馴染みのない言葉だと思います。
孟という漢字は「はじめ」の意味があるので
初秋、新秋の類義語といった季語です。
旧暦7月の異称でもあり、
現在ではお盆過ぎから
白露の前日までの
手紙の書き出しに使えます。
新涼(しんりょう)
秋のはじめ頃の涼しさを指します。
夏の手紙で使う「涼」は
暑さの中で感じる涼しさのことですが、
こちらの「涼」は暑さが和らぎ
秋の訪れを感じさせる涼しさを意味しています。
秋のはじめに使う言葉なので
立秋から白露までの季語です。
秋涼(しゅうりょう)
秋の涼しさ、涼しいころを指します。
旧暦では7、8、9月が秋とされ
秋涼は8月の異称でもありました。
現代では旧暦と1ヶ月以上の差があるため
9月から10月頃までの
書き出しに使われるのが一般的です。
ただし残暑を超えた白露から
霜降(10月23日頃)までが
言葉の通り涼しげなので
意識してみてはいかがでしょうか。
白露(はくろ)
本格的な秋が訪れ、
草花に朝露が付き始める時期を言います。
朝晩が少し肌寒く感じるようになるのと
同じくらいです。
9月8日から秋分の前日までの期間の指します。
爽秋(そうしゅう)
爽やかな秋、と
漢字で清々しさを感じることのできる季語ですね。
空気が澄んで気持ちが良い秋の気候を指します。
過ごしやすい時期に手紙を書く際に
使いたくなるような季語です。
白露の頃から10月いっぱいまで使えます。
野分(のわき)
「秋」など分かりやすい言葉がつかないので
耳慣れない方がほとんどだと思います。
昔の文学作品や俳句、
短歌などで目にする季語です。
野分とは秋の暴風のことで、
枕草子や源氏物語にも登場します。
類義語には嵐などが当てはまります。
つまり台風を指していて、
野の草花をかき分ける風が
由来しているようです。
「台風が近づいていますが〜」と
手紙に書くよりも少し風情を感じられますね。
9月1日頃から11日頃に
使用するのが良いでしょう。
秋晴(しゅうせい)
秋の澄んで晴れ渡っている空の様子です。
正しい読み方はしゅうせいですが、
あきばれと読んでも間違いではないようです。
白露から霜降の前日(10月22日頃)までの
手紙の書き出しに使えます。
清涼(せいりょう)
秋になり爽やかで涼しい季節となったことを
意味します。
イメージとしては夏っぽい印象ですが
白露から寒露(10月8日頃)
までとなります。
涼風(りょうふう)
涼しい風が吹く季節を表しています。
こちらは似たイメージの清涼とは違い、
8月のお盆過ぎから白露までの
季語となります。
秋冷(しゅうれい)
秋になると景色の変化とともに
肌で感じる空気の変化もありますよね。
そんな感覚を手紙で表現するのが
秋冷という季語です。
秋になって肌に感じる冷ややかさを意味し、
秋分(9月23日頃)から
立冬(11月7日頃)の前日までの
長期間で書き出しとして使えます。
9月の手紙の書き出し文例

出典元:https://pixabay.com/ja/書き込み-万年筆-インク-筆記-手書き-フォント-右利き-1209121/
上記のような「〜の候」などの書き出しだと
かしこまりすぎで、
もう少し親しい人への手紙に使いたい場合は
下記のような書き出しもおすすめです。
・秋風が心地良い時節となりました。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
・初雁の姿に秋を感じるころ、
お元気でお過ごしのことと存じます。
・日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか。
・爽やかな秋晴れが続き絶好の
行楽シーズンとなりましたが、
お健やかにお過ごしのことと存じます。
・暑さも寒さも彼岸までと言いますね。
お元気でいらっしゃいますか。
・台風一過の空がより一層澄み渡っています。
〜地方ではいかがでしょうか。
9月の手紙の結びの挨拶文例

出典元:https://pixabay.com/ja/ブック-心-愛-穀物-砂-海-読み-恋をしてください-連帯-2115176/
手紙書き出し部分では
時候の挨拶+安否を気遣う挨拶
で始まりましたが、
手紙の結びでも
相手の健康や幸せを祈る言葉で締め括ります。
・清涼の季節です。
ますますのご活躍のほどをお祈り申し上げます。
・季節の変わり目ですので
お体にはくれぐれもお気をつけください。
・秋の長雨が続きます。
お身体どうぞご自愛ください。
・皆様の秋が実り多いものとなるよう
お祈り申し上げます。
・爽やかな秋を満喫なさいますよう、
お祈り致しております。
・朝晩はめっきり冷え込むようになりました。
お風邪など召しませぬようお気をつけください。

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9月の手紙の挨拶文に使える季語の紹介

出典元:https://pixabay.com/ja/コhttps://cdn.pixabay.com/photo/2016/10/03/17/11/cosmos-flower-1712177_1280.jpgスモスの花-花-庭-コスモス-花柄-テスト-1712177/
季語とは季節を表す言葉なので
数多くの季語が存在します。
現代の歳時記では5,000を超える
季語が収録されているそうです。
9月の季語も身近なものから
初めて耳にするものまで
様々な言葉があるので、
手紙を書く相手に合わせて
珍しいもの、面白いものなど
選んで書き出しに使ってみては
いかがでしょうか?
・秋の虹
・秋夕焼
・秋の七草
・秋彼岸
・秋の蝶
・秋の蚊帳
・秋の水
・秋扇
・秋の海
・秋場所
・秋の燈(ともしび)
・二日月
・三日月
・夕月夜
・富士の初雪
・撫子
・桔梗
・藤袴
・葛の花
・萩
・藍の花
・蘭
・紫苑
・秋桜
・露草
・鬼灯
・紫蘇の実
・秋茄子
・唐辛子
・生姜
・胡麻
・葡萄
・梨
・桃
・栗
9月の手紙に使える昔の呼び名(和風月名)

出典元:https://pixabay.com/ja/満月-月-泊-空-暗い-ブラック-月光-天文学-月の-惑星-415501/
9月の和風月名は長月です。
由来は夜長月(よながづき)を略した説と、
秋の長雨から長雨月(ながめづき)、
稲穂が実ることから穂長月(ほながづき)
という説もあります。
また9月=長月のみではなく、
別名の和風月名も多くあります。
字面も綺麗で日本らしい手紙となるので
あえて別名を使うのもおすすめです!
・菊月(きくづき)
・詠月(えいげつ)
・季白(きはく)
・色取月(いろとりづき)
・紅樹(こうじゅ)
・残秋(ざんしゅう)
・暮秋(ぼしゅう)
・青女月(せいじょづき)
・寝覚月(ねざめづき)
・竹酔月(ちくすいづき)
9月のビジネスに使える時候の挨拶

出典元:https://pixabay.com/ja/会議室-テーブル-オフィス-ビジネス-インテリア-椅子-仕事-768441/
ビジネスでの手紙の時候の挨拶は
最初にご紹介した慣用句を使った時候の挨拶を
さらに丁寧に繋げます。
「〜の候」のあとに、
・貴社、ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
・皆様におかれましては、
益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
など慶びの一文を加えてくださいね。
結びでも、
・社業が更にご発展なさいますよう
心よりお祈り申し上げます。
・末筆ながら皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
といった締め括りをおすすめします。
顔の見えない手紙だからこそ
相手に気持ちが伝わるような
書き出しや結びを使ってくださいね。
さいごに
こちらの記事も是非どうぞ!



9月の手紙の書き方について、
書き出しや季語、結びと
ご紹介しましたが、いかがでしたか?
普段使わない言葉でも意味がわかると
手紙を書く際に役立ちます。
ぜひ参考にしてみてくださいね!