メールやLINEが主流となっている現代では
手紙を書く機会は
ぐっと減っているように感じます。
いざ手紙を書くとなると
書き出しや結びなど
どういった表現がいいのか
迷ってしまいますよね。
季節ごとの季語や時候など、
目上の方への手紙の場合は
特にきちんとしたいものです。
今回は暑中見舞いなど
手紙を出す機会の増える
7月の手紙の書き出しについて、
時候の挨拶や文例など
ご紹介したいと思います。
目次
7月の季語と時候の挨拶は何がいいのか?

出典元:https://www.irasutoya.com/2012/05/blog-post_5713.html
7月に手紙を出す機会といえば
暑中見舞いやお中元、
七夕などのイベントが挙げられます。
梅雨が明け
本格的な暑さの到来する時期なので
暑さに負けない涼しげで軽やかな、
相手に喜んでもらえる手紙にするために
重要なのが書き出し部分となります。
手紙での書き出しの挨拶は
それぞれの国で
独特の作法があるものです。
簡潔に済ませる文化もありますが
決まった形式での挨拶となっています。
なかでも日本語は
とても詳細に体系が作り上げられています。
そのため同じ7月でも
梅雨明け後の上旬と
真夏にさしかかる下旬では
書き出しに使われる季語も異なってきます。
7月の上旬に出す手紙の書き出しには、
「梅雨明け」
暦の上では入梅から30日後とされます。
梅雨明けの前は雷鳴を伴った豪雨になることが
多いようです。
俳句では梅雨あがる、とも表現されます。
「七夕」
旧暦7月7日の夜の行事です。
旧暦で数えると8月となっていて、
7月〜9月は秋に分類されていたため
歳時記では初秋の季語として扱われます。
「天の川」
七夕と同様に使われます。
銀河や銀漢とも呼ばれるようです。
「小暑」
二十四節気のひとつで
夏至の後15日目となり
七夕と同じく7月7日ごろを表します。
蝉が鳴き始める頃で、
夏の土用に入る時期でもあります。
「猛暑」
二十四節気で小暑から立秋の前日までの
期間に使われる季語です。
「盛暑」
夏の盛りというよりも、
暑さの盛りという意味合いで、
せいしょ、せいかと呼ばれます。
「仲夏」
夏の真ん中の意味を持ち、
旧暦では5月を指します。
現在では6月6日頃から
7月6日頃までの間に
書き出しとして使われます。
また例年以上に暑い時は酷暑、
例年以下の時には冷夏と
変化をつけるとより良いでしょう。
お中元のやりとりも7月の
初旬から中旬頃までとなってきます。
お中元の場合は品物をお返しとして
贈る必要はありませんが、
心を込めた手紙を送ったら素敵ですよね。
夏休みに始まる7月下旬の書き出しには、
「酷暑」
「極暑」
「炎暑」
など、漢字だけで暑さが伝わるような
季語が使われます。
また暑中見舞いは
最近では8月7日の立春の前日頃まで
送られるようになってきたので、
7月下旬でも問題ありません。
ただ立秋を過ぎると残暑見舞いとなります。
夏休みに入ってからだと
7月はあっという間に過ぎてしまうので
早めに出すことをおすすめします。
また暑中見舞いといえば、
ハガキのイメージが強いですが
封書でも問題ないということは
あまり知られていないかもしれません。
7月の手紙の書き出し文例

出典元:https://www.irasutoya.com/2017/02/blog-post_123.html
季節に関係なく
手紙の構造としては、
拝啓、謹啓などの頭語
書き出し部分
本文
結び
敬具、頓首などの結語
となります。
そして書き出し部分は
時候の挨拶+安否や近況を尋ねる言葉
とするのがより丁寧な手紙です。
書き出しの文例として、
・小夏を過ぎ夏本番を迎えました。
暑さに負けずご活躍のことと拝察いたします。
・長かった梅雨が明け本格的な夏を迎えましたが、
お変わりないでしょうか。
・打ち水をする光景が見られるようになってきました。
皆様におきましてはますますご健勝のことと
お慶び申し上げます。
・七夕祭りを待ち遠しく思う頃ですが、
お元気でしょうか。
などが例として挙げられます。
親しい方への手紙の場合は、
・蝉の大合唱が響き夏の訪れを実感するこの頃、
お変わりなくお元気でしょうか。
・連日厳しい暑さが続いておりますが
いかがお過ごしでしょうか。
・七夕飾りがあちこちに飾られ
何とも風情がありますね。
お元気でいらっしゃいますか。
といった、身近に感じられる
言い回しもおすすめです。
7月の手紙の結びの挨拶文例

出典元:https://www.irasutoya.com/2016/12/blog-post_529.html
手紙の始まりである書き出しもですが
手紙の締めである結びも
どんな一文で締めくくるか迷ってしまいますよね。
健康を気遣う一文
今後に繋げる一文
繁栄や健康を願う一文
などに季節感をプラスすると
7月の手紙らしい結びとなります。
・暑さの厳しい折、お身体ご自愛ください。
・炎暑焼けるが如しの昨今、
皆様のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
・寝苦しい夜が続きます。
体調には十分ご留意くださいませ。
・暑熱堪え難き時節、
夏風邪など召されませぬよう
くれぐれもご自愛ください。
・ご健勝にて夏を乗り越えられますよう、
お祈り申し上げます。
親しい間柄の方への手紙には
・炎天に負けず元気な夏をお過ごしくださいね。
・今後も猛暑が続きそうです。
お身体にはくれぐれもお気をつけください。
・今年は例年にない猛暑です。
お出かけの際にはお気をつけください。
・海山の恋しい季節、
お身体にお気をつけて
楽しい夏をお過ごしください。
などが手紙でも使い易い表現かと思います。

「こころ」が伝わる手紙の書き方とマナー文例集 [ 西東社 ]
7月の手紙の挨拶文で使える季語の紹介

出典元:https://www.irasutoya.com/2016/05/blog-post_396.html
手紙に使う季語自体は
季節を感じられる言葉であればいいので
上記の書き出しでご紹介した以外にも
様々な季語が存在します。
「山開」
「海開」
「百合」
「月見草」
「月下美人」
「夕顔」
「ダリア」
「ハイビスカス」
「てんとう虫」
「パイナップル」
「バナナ」
「マンゴー」
「メロン」
「瓜」
「トマト」
「茄子」
「冷麦」
「冷素麺」
「麦茶」
「氷水」
「アイスコーヒー」
「アイスクリーム」
「ラムネ」
「冷奴」
「冷房」
「扇風機」
「風鈴」
「水鉄砲」
「祇園祭」
「蝉」
「蝉時雨」
「プール」
「海水浴」
「夏休み」
「土用鰻」
などイベントや植物、
食べ物、飲み物など
夏の暑さに着目したもの以外でも
多くあります。
暑さに関するものよりも
夏が楽しめそうな
わくわくする季語ですよね。
このように夏らしい自分なりの言葉を使って
手紙を書けば、オリジナリティたっぷりで
相手の方にも気持ちが伝わりやすくなり
おすすめです。
また「夏の庭」「夏の宵」など、
頭に「夏」とつけるだけでも
日本の夏らしい風情が出せます。
7月の手紙に使える昔の呼び名

出典元:https://www.irasutoya.com/2014/06/blog-post_7656.html
7月の昔の呼び名、
和風月名は文月が代表的で有名です。
稲の穂が実る時期なので
穂含(ほふみ)月、
七夕で短冊に文字を書くことから
文披(ふみひろげ)月、
と由来は諸説ある呼び方です。
文月自体はご存知の方は多いかと思いますが、
実は文月を含む和風月名には
異称も多くあるのです。
愛逢(あいおう)月
秋初(あきは)月
七夕(たなばた)月
桐月(とうげつ)
七夜(たなよ)月
親月(ふづき)
蘭月(らんげつ)
流火(りゅうか)
愛合(めであい)月
涼月(りょうげつ)
あまり知られていない豆知識として
手紙に添えても面白いですよね。
和風月名を使うと趣き深い手紙となるので
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7月のビジネスに使える時候の挨拶

出典元:https://www.irasutoya.com/2018/04/blog-post_59.html
最後にビジネスシーンで
7月に出す手紙の書き出しを
ご紹介します。
書き出しの構成は上記の通りですが
「盛暑の候」
「仲夏のみぎり」
「酷暑の折」
のあとに、
「貴社ますますご繁栄のことと、
お慶び申し上げます」
「平素は格別なご高配を賜り
厚く御礼申し上げます」
と続ける形が最も適切な
ビジネス文書の書き出しとなります。
たとえ相手を気遣う一文だとしても
個人への手紙のような書き出しでは、
通常失礼にあたってしまうので
気をつけてくださいね。
さいごに
こちらの記事も是非どうぞ!

手間取ってしまう
手紙の書き出しですが、
季節の言葉など探してみると
意外と面白かったりします。
是非自分らしい素敵な手紙を
書いてみてください。