メーデーと言う言葉は、
日本ではあまり馴染み深くないかと思います。
なんとなく祝日?労働の日?といった感覚ですよね。
メーデーとはMay Day、
直訳だと5月の日です。
5月の祝日と言えばゴールデンウイークがまず浮かびますよね。
メーデーは関係あるのでしょうか?
今回は、メーデーが休みとなった起源、由来、
そして日本におけるメーデーとは?
私たちに関わりのある、会社は休みになっているのか?
知ってそうで知らない
暦の豆知識をご紹介します。
目次
メーデーが休みの由来

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メーデーは5月1日に行われる国際的な祭典です。
「労働者の日」メーデーはアメリカが発祥の地で、
8時間労働制度を要求した大規模ストライキの決行の日です。
1880年代当時は労働条件がとても悪く、
12〜14時間労働が当たり前の状況でした。
恐ろしい環境ですよね…。
今あるブラックな労働時間なども、
何百年後かには正しく規制されるのでしょうか。
このように、現代の私たちの労働環境の礎
と言っていいかと思います。
ちなみに日本では大正9年に初めて開催されました。
第1回でも1万人もの動員があった事から、
日本での労働条件への不満も飽和状態だったのでしょう。
しかしその後は禁止令が出されメーデーは中止となり、
世界情勢の悪化もあって
10年近く開催される事はありませんでした。
終戦翌年にやっと17回目の開催となりました。
この年は「働けるだけ喰わせろ」をスローガンとし、
なんと全国では100万人、東京の皇居前には50万人もの
労働者が集まり盛大に開催されたのです。
その後は徐々に変化が見られ始め、
55回大会の頃には反対や再検討と
批判の声が上がり始めました。
週40時間制や労働時間短縮を掲げる一方で、
スポーツ祭典が併催され、「お祭りメーデー」と呼ばれる
家族ぐるみのイベントに発展したからです。
確かにそうなってしまうと
労働運動やデモという感じがしないですし、
元来の環境を改善しようという
集団の一体感は感じられないかもしれません。
良く言えば、それだけ改善がなされたのでしょうか。
近年では2008年に代々木公園で開催されています。
都内在住でも知らない方の方が多いのではないでしょうか?
更に2017年には通算88回目を迎えています。
参加するしないは関係なく、
こういった事が長い歴史をもって行われている、
その内容を知っている事が
いち労働者である私たちの義務に感じます。
メーデーが休みの起源

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前述のアメリカでの大規模ストライキのあと、
少しずつ世界各国へと広がっていきます。
3年後に第2回インターナショナル創立大会が
パリで開かれ、8時間労働制実現に向けて
デモを行う事が決定しました。
同時に5月1日が労働運動の日に設定されました。
そしてデモ実行が1890年、
ヨーロッパ各国やアメリカの各工業都市などで
第1回国際メーデーとして行われました。
その後も労働者の権利を主張する運動、
さらに、国民がその時々の要求を揚げ
団結と連帯の力を示す日として
発展していくこととなったのです。
ちなみに、メーデーとは別の時期に
「レーバーデー」という呼び方で
労働者の日を定めている国々もあります。
メーデーの本来の意味

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労働の日=メーデーという歴史ができる前は、
ヨーロッパでの夏の訪れ、豊穣を祝う五月祭でした。
現在では春の訪れを祝うものになっていますが、
伝統行事として各地で開催されています。
メーデーの前夜にはかがり火が焚かれますが、
これは前日が、魔女がサバトを行う
ヴァルプルギスの夜とされているからです。
そして当日になると、
花の冠をかぶせた「5月の女王」を決めるそうです。
なんだか爽やかで可愛らしい印象のお祭りですね。
このように起源の大元を辿ると、
キリスト教の伝来以前のとても古い祭日なので、
現在のメーデーとは全く異なるものです。
しかし現在でもヨーロッパには、
労働者の日としてのメーデーと
春を祝うお祭りとしてのメーデーの
両方が存在するというのは、
なんだか対照的で面白いですね。
日本の会社の休みの割合

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さて、私たちにとって一番現実的な
休みについてです。
メーデーは国際機関によって定められた国際デーなので
80以上の国々が祝日に設定しています。
日本ではゴールデンウイーク期間なので
メーデーも休みだと思いがちですが、
残念ながら違うのです…。
もちろん80年代後半から、
祝日化への働きかけは見られました。
なぜ頓挫してしまったかというと、
ここでゴールデンウイークが関わってきます。
まず昭和天皇の崩御で4月29日がみどりの日となりました。
その後バブル崩壊のあおりで一度保留となります。
さらに2007年にはみどりの日が5月4日に移動し、
3日から5日が3連休となりました。
そこでややこしい法律が出てくるのですが、
「2つの祝日に挟まれた平日を休日とする」
と祝日法で定められています。
つまり5月1日メーデーを祝日とすると、
29日と挟まれた30日が休日に、
3日と挟まれた2日も休日になります。
4月29日から5月5日までの7日間の連休です。
おそらく大歓迎の方のほうが多いのではないでしょうか?
しかしこの大型連休による懸念が金融業界です。
7日間もの長期間、
金融市場が閉鎖されてしまうことへの問題視が強いため、
休日化への動きが弱まったのです。
なので日本でメーデーを休日に設定している会社は
とても少ないといっていいでしょう。
企業によっては、メーデーを
労使協定で会社の制定する休日とするところもあるようですが、
休日出勤の振替扱いの場合が多いので微妙ですね。
年間休日数の調整をゴールデンウイークで行う企業は
メーデー周辺を休日とし、長期休暇にするケースもあります。
それでも全体の割合では
メーデーが休みの会社は2割程度のようです。
休みにする日本の会社はどんなところ?

具体的に、休日となる企業はどんなところでしょうか?
長期間作業が止まることへの影響が少ない業種というのが、
工場などの生産ラインです。
機械をちょくちょく止めるよりも、
まとめて停止させた方が効率が良いからです。
大企業の場合は、生産ラインだけでなく、
会社全体で休日に設定します。
つまり自社に製造部門のある大企業が
メーデーを休みにする可能性が高いという事です。
メーデーでは具体的にどんなことをする日か?

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五月祭のほうのメーデーでは、
地域によって多少異なります。
フランスやドイツではモミや白樺を森から切り出して飾り、
メイポールと呼ばれるその木の下で皆で踊ります。
イギリスではサンザシを飾り、男性のみで行う
モリスダンスという民族舞踊があります。
労働者の日のほうのメーデーは
現代では労働者の権利を得るための決起集会から
労働者の親睦を深めるための祭典へと、
意味合いが変化しているようですね。
BUMP OF CHICKENメーデーはどんな意味が込められているか?
メーデーで検索をかけると
バンプオブチキンが引っかかりますよね。
同じメーデー繋がりなので、
こちらもご案内します!
タイトルにもなっているメーデーは
もちろん救難信号の方の意味です。
誰から誰に対するものかは
それぞれ解釈が分かれるかと思いますが、
いずれにしても励ましが込められています。
救難信号を発信しあう、
助け合うイメージを感じます。
最後に
メーデーについて、
起源や由来、歴史とご案内しましたが
いかがでしたか?
日本での休みに関する扱いは、
いつか変化があるかもしれませんね。
私たちの労働環境の土台となっている事を
ぜひ知っておいて頂けたらと思います。